高学年クラスは、Scratch 2.0を用いて、簡単なゲームを自作できるようになることが目標です。
◆Scratch 2.0について
Scratch2.0には、以下のコマンドグループがあります。まずはこの基本の10個を覚えましょう。
ブロック郡 | Scratch 2.0 の コマンドグループ |
代表的なコマンド |
基本ブロック群 | ①イベント | 「旗がクリックされたとき」などのスタート条件 |
②動き | 「10歩動かす」「15度回転」 | |
③制御 | 「4回繰り返し」「もし~なら」「1秒待つ」 | |
応用ブロック群 | ④調べる | 「○○に触れた時」 |
⑤演算 | 「x+y」「x>y」「□かつ○」「乱数」 | |
面白ブロック群 | ⑥見た目 | 「Helloと言う」「次のコスチュームにする」 |
⑦音 | 「ニャーの音を鳴らす」「60の音符を0.5拍ならす」 | |
⑧ペン | 「ペンを下ろす」「ペンの色を10ずつ変える」 | |
便利ブロック群 | ⑨データ | 「変数を作る」「リストを作る」 |
⑩その他 | 「ブロックを作る」「拡張機能を追加」 |
◆第一期の学習予定内容
日程 | 履修内容 | 作るゲーム | その他の話題 |
第一回 10月29日 | 基本ブロック群+⑧ペン | 幾何学模様の描画 | 登場人物(Sprite) 背景(Backdrop) |
第二回 11月26日 | 基本ブロック群+④調べる | 自動走行車ゲーム | 図形の描画 (ビットマップ/ベクター) 実際のロボットも使用 |
第三回 12月17日 | 基本ブロック群+ ④調べる+⑤演算 |
シューティングゲーム | 乱数の発生 相対位置/背景の移動 |
第四回 1月28日 | 基本ブロック+ ④調べる+⑤演算+⑨データ発表会 |
未定 | 未定 |
WS報告(復習・宿題)
◆10月29日(第1回)の学習内容、復習
基本操作
- クリック、ドラッグ&ドロップ、ダブルクリック
- ブロックを取り出す、ブロックをもどす
- 「動き」 ○歩動かす、○度回す、マウスポインターへ行く
- 「コントロール」ループ(○回繰り返す)、イベント(○キーが押されたとき)
- 繰り返し条件を用いて、四角に動かす、スプライト(猫)を動かす
幾何学図形の描画(下記の画像で、プログラムを確認してください)
- 三角形、四角形、五角形、六角形の描画 (参考:小学五年生の算数)
- 幾何学図形を連続で描いて、模様を作る(二重ループの利用)
【おまけのクイズ】
1.「☆」はどのようにすれば書けますか?
2.その他、一筆書きで書けるものに挑戦してみましょう。
◆11月26日(第二回)の学習内容、復習、宿題
絵を描く
- Sprite の 追加/描画
- ベクター (こちらを使う)と ビットマップ (こちらは使わない)
- 同じ形のものは、コピーを使う(書き間違えないように)
⇒絵を描くときでも、プログラムを書くときでも、同じものを作るときはできるだけ「コピー」を使ったほうが、間違えない
- Scratch では、右方向(x方向)が前
- Spriteは、右方向を前にして描く
- 間違ったときは、絵を回転させる(ベクター形式でしかできない)
- 背景 の 描画
自動走行車を作る
- If文を使う
- Sensing で今いる場所の色を調べて、右に曲がるか左に曲がるか判断する
- 「ずっと/forever」のループで、自動車をずっと走らせる
- 車が上手くコースを走るためには、移動する距離(スピード)と、曲がる角度を調整する。
調整のことを、チューニングと言う。
次回(第三回)に向けて
- 次回は、「変数」を使って、自動車のスピードを調整します。
今日紹介した自動走行ロボットは makeblock車のmbot です
宿題:自動走行車レース
①自動走行車がスムーズに走るように、スピードや曲がる角度を調整してみましょう。少なくとも3周できるように!
<挑戦型>
<堅実路線型>
②新しいコースを作ってみましょう
- くねくねしたコースで、右折も左折も両方あるコースを作ってください。
- 実際のサーキットのコースを書いてもいいですね。(鈴鹿サーキットや、筑波サーキットなど)
③できた人は、もっとチャレンジ!(こちらは必須ではありません)
- 応用編
- 車を2台、3台、4台と増やしてください。車の色を変えると、いいですね。
同じプログラム(Script)でも、動き方が少しずつ違うかもしれません。 - 車同士がぶつかったら、二台ともスピン(その場で二回転)する条件を加えてください。
- 車を2台、3台、4台と増やしてください。車の色を変えると、いいですね。
- 謎解き(分かるかな?)
- 今回 Scratch 2.0で作った自動走行車は、白色に触れると左に回転、緑色に触れると右に回転、というプログラムでした。(コースの外側と内側が同じ色だと、上手くいきません)
- 一方 mbot (自動走行ロボット)は、白地に黒色でラインが書いてあるコースを進みました。コースの右と左が両方とも白地なのに、ちゃんと右曲がりも左曲がりもできるのは、なぜでしょうか?
- ヒントは、センサーの数です。
◆12月17日(第3回)の学習内容、復習、宿題
今回は、シューティングゲームを作成しました。
構成要素は3つです。
「主人公」を、カーソルキーで上下(左右)に動かします
「発射するもの」を、発射ボタンで的に的に向かって発射します。
「的」は、ふらふらした動きを続けます。
プログラムは同じでも、「発射するもの」「的になるもの」の組み合わせで、様々なシューティングゲームを作ることができます。
主人公 : 人間、魔法使い、動物、弓
発射するもの: サッカーボール、バナナ、矢、星、その他
的になるもの: サッカーゴール、人、動物、怪獣、果物、その他
主人公
- カーソルキーに合わせて、上下(左右)に移動します。
発射されるもの(説明のために”弾”とします)
何発も発射できるように、クローンを作成します。スペースキーで、発射されます
- 元になる弾を一つ作っておきます
- スペースキーが押されると、弾はクローンされます。
- クローンされた弾は、主人公のところに移動したあと、的のある方向に向かって発射されます。
発射ボタンにタッチすると、メッセージを送る。 メッセージを受け取ったキャラクター(弾など)は発射します - 画面端に当たると、弾は消えます。
動き回る的(倒すべき敵)
的(倒すべき敵)をたくさん作る場合は、弾と同様に、クローンを作成します。
- 元になる的を一つ作っておきます
- 「ずっとループ」のプログラムにより、一定時間ごと(たとえば1秒ごと)に的のクローンが作られます。
- クローンされた的は、ランダムな場所に移動したあと、ランダムに動き回ります。
- ランダムな場所への移動、ランダムな動きは、乱数を使います。
- 的に弾があたると、的は音を立てて消えます。
的がサッカーゴールの場合は、上記とは違ったプログラムになります。
参考プログラム:
https://scratch.mit.edu/projects/194050065/
https://scratch.mit.edu/projects/194050210/
https://scratch.mit.edu/projects/194050396/
宿題: 今回作ったシューティングゲームを家族にやってもらう
- お父さん・お母さん・兄弟姉妹に遊んでもらってください。
- どうすればもっと面白くなるか、意見をもらいます。
- できる範囲で改良してきてください。
第四回の最初に発表してもらいます。
- どんなゲームを作ったか
- 誰に遊んでもらったか
- 改良のための意見はもらったか、何か
- どのように改良したか