※長文ですが、興味ある方・不安を感じている方は読んでみてくださいね※
ウクライナ情勢に関連し、原子力発電所が攻撃されるのではという不安から、オランダ国内でも安定ヨウ素剤の品切れが起きています。Etosなどドラッグストアではもともと多くの在庫を置いている商品ではないので、すぐに品切れになったようです。
ここで大切にしてほしいなと思うのが、「なぜ安定ヨウ素剤が必要なのか」を知ることです。
放射性物質による事故が起きた時のために、オランダでも日本でも、原子力発電所付近の住民には「安定ヨウ素剤」が配られています。しかし「飲めば、被ばくを防ぐ」ものではありません。
「放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれ、数年~数十年後に甲状腺がんを発症するリスクを下げるため」のものです。「放射性ヨウ素よりも先に、安定性ヨウ素を取り込ませて、放射性ヨウ素がその後入れないようにする」ものです。
「放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれ、数年~数十年後に甲状腺がんを発症するリスクを下げるため」のものです。「放射性ヨウ素よりも先に、安定性ヨウ素を取り込ませて、放射性ヨウ素がその後入れないようにする」ものです。
なので「飲むタイミング」が決まっています。
何も起きていない時に飲んでも、甲状腺がん発症リスクを下げる効果はありません。飲んだ後の効果は約24時間。事故時には行政から飲むタイミングの指示が出ます。
何も起きていない時に飲んでも、甲状腺がん発症リスクを下げる効果はありません。飲んだ後の効果は約24時間。事故時には行政から飲むタイミングの指示が出ます。
「飲んでいい年齢」も決まっています。
オランダも日本も、40歳以下が対象です。それ以上の年齢では、安定ヨウ素剤を飲むことの副作用やリスクも大きく、甲状腺がんの発症には数年かかること、子供の方が影響を受けやすいことから、住民配布も基本的には40歳以下が対象です。
オランダも日本も、40歳以下が対象です。それ以上の年齢では、安定ヨウ素剤を飲むことの副作用やリスクも大きく、甲状腺がんの発症には数年かかること、子供の方が影響を受けやすいことから、住民配布も基本的には40歳以下が対象です。
効果は「体内に取り込まれる放射性ヨウ素」に対してのみです。
他の元素(放射性セシウムなど)には効果はありません。直接皮膚などにつく外部被ばくにも効果はありません。
他の元素(放射性セシウムなど)には効果はありません。直接皮膚などにつく外部被ばくにも効果はありません。
ここまで読んでいただくと、
「何か不安だから、念のため、今から、安定ヨウ素剤を飲んでおいた方がいいのでは?」というのは、間違っていることがわかります。
代わりに安定ヨウ素剤よりも低い濃度のヨウ素サプリメントを飲んだり、海藻を多く食べる必要もありません。(ヨウ素は海水に多く含まれるので、海藻や魚介類、海水由来の塩を多くとっている日本人は、普段からヨウ素の摂取量が多目です。サプリメントも飲むと過剰摂取になる危険もあります。)
そもそも、オランダ国内で安定ヨウ素剤が配布されているのは、施設によって多少異なりますが、最大100㎞圏内。100㎞以上離れたところでは、事故が起きたとしても安定ヨウ素剤の服用は不要となっています。
以上のことから、今オランダに住む私たちが、ウクライナ情勢を恐れて、安定ヨウ素剤を買い占めるパニックを起こす必要はありません 「買えなかった!どうしよう!」と焦らなくても大丈夫です。
それでも、どうしても不安・・・という方は、下記のような原子力発電所事故についての、一般的なガイドブックを見ておくといいと思います。安定ヨウ素剤は内部被ばくにのみ効果がありますが、外部被ばくの防ぎ方も含めて紹介されています。
※本記事は2022年3月3日にFaceBookへ投稿した記事です。コメント欄でのやりとりはこちらをご覧ください。